幽霊はテニスがお好き

幽霊はテニスがお好き (中公文庫)

実は赤川次郎をこれまで読んだことがなかったんです、私。友人に「ありえない！」と罵られ（いや、実際有り得たから読んでなかった訳だが）、表題の本を貸していただいたので読むことにした。別になにがしかの信念があって読まなかった訳じゃなく、出会わなかっただけだからね。
本書は全6編の短編小説。どれも大変読み易い。中でも同タイトルの「幽霊はテニスがお好き」では当然の様に幽霊が出てきたり（しかもこざっぱりした性格の少女）と、ライトノベルのノリで読める。児童書にもカテゴライズされる赤川次郎だからこれが当たり前なのかしらん。
内容では不倫や恋愛などが散りばめられていたりするけど、かなり淡白に描かれていると感じた。また、死に対しても淡白な感があるが、これが短編ならではのスパイスなのか、あるいはブラックジョークの粋なのか、ちょっと分かりません。
読み易く、ほどほどに楽しいので、時間を持て余しているなら読んでも良いね、というのが私の所感です。